冷徹副社長と甘やかし同棲生活

 できれば見せたくないけど、一緒に暮らしている以上、いつかは見られてしまう。

 それに、彼は私のことを妹くらいにしか思っていない。私が化粧をしてるかしてないかなんて、そもそも気にしていないかもしれない。

 うだうだ悩んだ結果、化粧はしないことに決めて部屋を出た。


 廊下に出るとすぐに、コーヒーのいい香りが鼻を刺激した。
 椿さんがもう起きていることを知り、急いでリビングへと向かう。


「おはようございます、朝食お待たせして申し訳ありません」


 ソファで新聞を読んでいる椿さんのそばにかけよって、すぐに謝った。


「おはよう。今回は気にするな。起床時間を伝えていなかったからな。……それより、他に気にすることがあるだろう」

 
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