冷徹副社長と甘やかし同棲生活

「私もここにいてもいいですか?」

「もちろんだ」


 昨日と同じように、椿さんと斜めに向かい合うように座った。

 ズボンのポケットに入れてあったスマホを取り出した。今日の献立を考えるため、レシピサイトを開く。
 スワイプをして人気のレシピをチェックしていたとき、椿さんに一番肝心なことを確認していなかったことに気づく。


「椿さん、今話しかけても大丈夫ですか?」

「大丈夫だ。どうした?」

 椿さんはわざわざ本を閉じて、私に視線を合わせた。


「椿さんの好きな食べ物と、嫌いな食べ物を教えてください。あと、アレルギーで食べられないものも」

「好きな食べ物は、かしわぎの定食全般だな。アレルギーは特にない。あと、嫌いなものは……」


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