俺の罪、甘い罰。
その彼女が今、俺の隣に座っている。


８年という長い年月を経て、


ついさっき、ようやく彼女と想いが通じ合ったばかりだ。




俺に幸せなんて来ないと思ってた。


むしろ、幸せになっちゃいけないって思ってた。




彼女が在学していた時から、俺は苦悩の連続だった。


俺が教師で、彼女が生徒だという事。


しかも未成年だという事。


付き合っていた大崎志保の事…。


世間体や体裁、色んな人間関係が絡んだ事で、自分の想いを簡単に出せなくなった環境は、とにかく俺を悩ませた。



同時に、自分が教え子に惚れた事にも驚いていた。


思ってもいなかったんだ。


俺にそんな気持ちが芽生えるなんて。



そんな葛藤続きの俺のせいで、こんなに時間がかかってしまったんだと思うと


『今更想いを告げても嫌がられるだろう』


『きっと河原は許してくれないだろう』


そんな風に思っていた。



…だけど実際は違った。


許すどころか怒りもせず、今の俺の事も好きになってくれていた。



そんな河原の気持ちが嬉しくて、


彼女も俺と一緒にいる事を望んでくれるのならば、


俺は素直に、


『彼女との幸せを選びたい。』


そう、思ったんだ。
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