俺の罪、甘い罰。
駐車場からレストランまでの距離だけど、俺の腕に彼女がゆるく腕を絡ませてきた。


“絡ませる”と言うよりは、


“軽く手を引っ掛ける”って言った方が正しいかもしれない。



それでも多分、周りからは腕を組んでいるように見えただろう。


いい年した俺が


『若い女の子と腕を組んで歩いていたらおかしいかも…。』


と、恥ずかしくなったけれど、


同時に、


『今の俺達を咎めるやつなんていないんだ。』


そう思うと、嬉しそうに笑う彼女の手を振り払う事なんて出来なかった。


それに、彼女がそうしたいのなら俺は応えてあげたいと思うから。



“8年分の時間を埋める位、俺は彼女を愛したい”



恥ずかしくて、死んでもそんな事を口には出来ないけれど、


俺は密かに、そう思っている。
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