俺の罪、甘い罰。
「…先生、泣いたってすぐにバレたじゃないですか。」


到着したレストランの駐車場で、車を降りた河原から軽く文句を言われたけれど


「ははっ。まぁ、気にしない、気にしない。」


と、また頭をポンポンッと撫でた。



どんな河原だっていいと思ったんだ。


一緒にいたいと思う、俺の気持ちは変わらないから。



「…もう。」


そう言って、彼女は笑った。




俺は今、気付いた。


河原は頭を撫でられるのが好きらしい。




「何食べよう。お腹空いちゃった。」


隣で微笑む河原と一緒にいると、何もしなくても十分楽しくて幸せだった。




不思議に思う。


俺にこんな日が来るなんて。


こんなに温かくて、穏やかな気持ちになれるなんて。


思ってもいなかった―…
< 4 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop