悪魔の証明



やはり、こいつらは危険だ。
人間味ひとつ考えられない。

それにしても、あだ名からあの男を調べあげてくるとは……やはり彼らは今回も本気だ。

やはり、彼女が執筆した後、私が校正を買ってでればこんなことにはならなかったのだが。

警察官の越権行為と取られかねないという理由から自粛したのは、やはり間違いだったか。

しかし、彼女が携帯小説を書くと言った時、本名を名乗らないようアドバイスしておいて正解だった。
既にペンネームだけは有名になった彼女が、裁判に関係していることは、マスコミさえ気がついていない。

この事件を知っているのは彼らだけだ。
大手掲示板にこの話が載れば目も当てられないことになる。第二、第三の彼らが出てくる前に、私がかたをつけなければならない。

彼らの口を封じるのには、やはり彼ら自身に罪を……

そういえば、イグナシオがあの風俗嬢のところに行く可能性を示唆した言動があったな。
ボロを出す可能性は低いが、部下に張らせてみようか。

これまでのイグナシオの言動から彼は30代だと推測できる。
煙草を吸う。
背は高いとしかわからない、おそらく175~185の間。
目が悪いような発言もしていた。
眉が細い。

半年前から潜入を始めて正解だったな。
閲覧しているだけだったら、こんな情報さえ引き出せなかっただろう。

家宅捜査さえ、できればPCを押収して、彼らを芋づる的に検挙できるだろう。
……甘いか。
ログは削除されている……いや、彼らの場合PCさえ赤の他人の者を使っている可能性がある。

張り込みしかないな。希望的観測だが、ほんの糸口さえ見つかれば……

そうだ、赤西にやらせてみよう。

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