欲望の飴と飴売り少女
「別に暇だからいいよ。てかなんで山下さんはそんな腕を掴んで、川野くんは頭下げてんの」

二人は顔を見て笑った。 私もそんな2人につられて笑った。

「早く行こ行こ」
山下はあたしの手を引っ張りあたしの家を出た。


少し歩き、大きな家が見える。

「相変わらず大きい家だね」

前来た時もだが、山下の家は大きい。

「そうかな?でも、お父さん、お母さん、お爺ちゃん お婆ちゃんとお手伝いさんと暮らしてるから」

山下は指で何人いるか数える。

「つぼみ、それは嫌味にしか聞こえないから」
川野くんが山下に苦笑いしながら言う。


「嫌味じゃないし!木原さんはわかってくれるよね?」

「人数多くても広い家は広い家じゃない?」
ごく一般的なあたしの家にとったら嫌味にしか感じない。

「なんで二人とも分かってくれないの」
山下は口を風船の様に膨らます。


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