欲望の飴と飴売り少女
川野くんは字も上手だ。字が上手すぎてあたしの字が下手に見えてくる。


まる、まる……まる。川野くんの小テストはバツが一つもない。つまり、満点だ。

「川野くん、採点終わったよ!」

笑顔で返した。満点だよと意味も込めて軽く拍手する。

「木原さんもテスト満点だよ英語得意なの?」

「まぁ得意かな。川野くんこそ満点じゃん」

「俺も英語得意だからね」


「そうなんだ!い、一緒だね」

飴のお陰で英語が得意になったのでためらってしまった。


「こういう使い方もあるんだ…」

休み時間にみぃとりんと話しながら1人で呟いた。
「え?なんか言った?」


りんが聞いてきた。

「なんでもないよ〜!」

みぃとりんが首をかしげている。



ごめんね、みい、りん。2人に教えてあげたいけどダメだから。





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