欲望の飴と飴売り少女
あたしがその子をずっと見ていると
「あのぉ〜ごめんなさい」
女の子は心配そうにおっとりとした可愛い声で話しかけた。
そして女の子は自分の首に欠けているハート型の小さなバッグに手を入れた。
「良かったら飴あげるよぉ。美味しいよ」
初対面のあたしに向かってタメ口かよ、軽くぶつかっただけだから別に怪我はしてない。
「あ、ありがとう」
知らない人から食べ物をもらうのは少し嫌悪感があるが相手もこどもだし、素直に可愛い包み紙に入った飴をもらった。
いきなり女の子は後ろに腕を組み少し気味の悪い笑みを作った。
「この、飴はね〜願いを叶えることができる
の!願いを叶えたいと思うときに食べてみて…」