Elevator Girl
「あ」


「気付いた?」



きづいた。
けど、え、ちょっとまって、ええっと、つまり。


久保が私にチョコを?




「ほら、固まってないで!
そんな暇あったら早く食べて、買いに行くよ、チョコ!」

「......え、なんで!買わないよ、そんなの」

「何言ってんの。か、う、の!買わなきゃダメ。
あんたたちはイベントにでもひっかけないと、なんにも進まないんだから

...ほらアレ、昇進祝い、それで渡しなさいよ、そんなに理由が欲しいなら」



昇進祝い......そうだ、しようと思ってた。
なのに久保が、変なこと言うから、話がズレて、言い逃げして...

......子供だったかな。



いつもそう。
久保と話してると、心がゆれる。



小さなことで怒ったりして...昔はそんなんじゃなかった。




久保がからかってるのが分かって、イライラして、
でもどこか甘えたように嬉しくなって。







どっちつかずに心がゆれる。




そんな風になったのは、ここ2、3年。                                                                                      
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