Elevator Girl
顎を持ち上げて、強引に視線を合わせた。

潤んだ瞳が体を貫いて、息がとまる。



「…ほんき。しんじて」



視線が絡まったまま、唇が重なった。


背伸びをして、すがるように胸をつかむ姿に、たがが外れた。



体を強く引き寄せて、深く甘い熱を貪る。

逃げ腰になる唇を追いかけて、息が乱れるのも構わずに、何度も重ねた。


「…杏奈」



好きだ、という度に、

名前を呼ぶ度に、

しがみつく力が強くなる。


それだけで、驚くほど胸が熱くなった。                                                                                                                  
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