Elevator Girl
「……ごめん…」
「ごめん、って何に謝ってんの。
…悪いのは俺だろ」
「ちがう!」
そんな風に笑わないで、
そう言って鈴木が胸に飛び込んできた。
「わたしがダメなだけなの、くぼのせいじゃない…」
「…おい」
周りの目が気になって、とりあえず引き剥がそうとする。
でも、背中に回された手の力は逆に強くなった。
「……鈴木、まず店から出ないと」
耳元で諭すと、小さく頷いて素直に従った。
鈴木は黙ったままうつむいている。
ただ、その手は俺の左袖を握りしめたままで、
いつもと違う横顔に、何を言えばいいのか分からない。
戸惑ったままでいると、隣から小さな声がした。
「…どうしたらいいのか分からなくて」
握りしめる力が強くなった。
「…いまさらスキってきづいたら、どうしたらいいの?」
驚いて足を止める。
「……すき、って…俺のことが?」
「だって、ずっと一緒だったのに、毎日一緒にいたのに、
あんな一回の、…キスで。バカみたいじゃない…」
甘えて、すねた様に話す言葉が信じられなくて、
ふせた顔をのぞきこんだ。
「…酔ってるんだろ」
冗談ぶって言いながら、声の震えを押さえるのに必死だった。
否定の言葉が欲しかった。
「ごめん、って何に謝ってんの。
…悪いのは俺だろ」
「ちがう!」
そんな風に笑わないで、
そう言って鈴木が胸に飛び込んできた。
「わたしがダメなだけなの、くぼのせいじゃない…」
「…おい」
周りの目が気になって、とりあえず引き剥がそうとする。
でも、背中に回された手の力は逆に強くなった。
「……鈴木、まず店から出ないと」
耳元で諭すと、小さく頷いて素直に従った。
鈴木は黙ったままうつむいている。
ただ、その手は俺の左袖を握りしめたままで、
いつもと違う横顔に、何を言えばいいのか分からない。
戸惑ったままでいると、隣から小さな声がした。
「…どうしたらいいのか分からなくて」
握りしめる力が強くなった。
「…いまさらスキってきづいたら、どうしたらいいの?」
驚いて足を止める。
「……すき、って…俺のことが?」
「だって、ずっと一緒だったのに、毎日一緒にいたのに、
あんな一回の、…キスで。バカみたいじゃない…」
甘えて、すねた様に話す言葉が信じられなくて、
ふせた顔をのぞきこんだ。
「…酔ってるんだろ」
冗談ぶって言いながら、声の震えを押さえるのに必死だった。
否定の言葉が欲しかった。