いつまでも弟だと思うなよ。
「………」
…本当、コイツは俺をイラつかせる天才なんだろうかとさえ思えてくる。
ガタッと席を立ち、軽く金城を睨んだ。
「知るか。んなこと自分で聞けよ。つかもう話しかけてくんな」
それだけを言い残して、俺は、HR開始のチャイムが鳴る中教室を後にした。
────ガタン、
そしてやってきたのは、西棟の屋上。
錆び付いた扉を開け、外に出る。
この学校は、教室や職員室がある大きな造りの東棟と、今は旧校舎扱いにされている小さな造りの西棟がある。
東棟の屋上は普段開いていないが、西棟の屋上は常に開いているから穴場だと、可奈がこの高校に入学した時に得意げに教えられた。
「マジで穴場じゃん」
入学してから初めてきたが、本当に誰もいない。
まぁ、今は朝のHRの時間だというのもあるけど。