いつまでも弟だと思うなよ。
「ねぇチカちゃん」
「………」
この際だ、返事がないことには目を瞑ろう。
「チカちゃんってさ、もしかして私にだけ反抗してたりする?」
「…ッ!」
憶測だったけど、私の質問で少しだけ肩がビクついたチカちゃんを見て図星だと判断した。
「なーるほどね、これで納得できた。だってチカちゃんに "大人の雰囲気" なんてあるわけないもん」
「…は?」
「よし分かった!姉の私にはいつまでも反抗していいよ。子供らしさも大事!素を出してくれてるんならずっと反抗チカちゃんでも許してあげる」
チカちゃん、これで納得できたよ。
友達の仲でのキャラと家族の仲でのキャラってギャップがあるもんだよね。
それなら、お姉ちゃんの私の前で学校での大人キャラを出せないのは納得……。
「いい加減にしろよ」
「…へ?」
突如聞こえた低い声に、納得していた私の思考はピタッと止まった。