葛城社長と運命の恋を始めます
それってもしかして、愛の告白でしょうか。


いや、待ってください。


心の準備が出来ていません。


「そんなに驚かないで下さい。僕も自分の気持ちに戸惑っているのですから。」


葛城社長は30才で私と10才違うと言う。


多分話も合わないだろうし、こんなおじさんが好きだと告白なんかしたら、もしかしたら訴えられてしまうのではないだろうか。


いえ、訴えてたりはしないとおもうけど。


こんな素敵な人に好きだと言われてるのだから、もっと何か的確な返事がないものか考えてみた。


でも、答えは直ぐに出そうもない。


だから、今の私の気持ちを話す事に。


「葛城社長は私が好きだと言いたいんですよね。私は好きになれば年なんて関係ないと思います。」


でも、葛城社長の事を何も知らないから。


私の気持ちを話した。


「あの時私を助けてくれた事に感謝もしているし、こうして会えた事も嬉しく思っていますが、今の私は葛城社長を好きになれるのか自信がないんです。」


あなたを好きになる時間が欲しいと伝えた。


葛城社長はやっぱりバグが好きらしい。


葛城社長を嫌いになんかなれないけど、直ぐに好きになれるかも分からないから。


もう少し時間をかけて、あなたを好きになれたらいいなと本気で思った。


だって、抱き締められたこの腕の暖かさを知ってしまったから。


離れてしまうのは何だか淋しい。


しばらく葛城社長の腕の中で夜景を眺めていた。


葛城社長の心臓の音が聞こえる。


私と同じだった。










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