葛城社長と運命の恋を始めます

今日から葛城家に住みます

母さんが用意した荷物はキャリーバック2個、こんなに必要かな。


つなぎ服まで入ってるけど、エプロン、着替えと下着とくつ下、パシャマ。


大学へ行くから、それようの服も入っていた。


朝陽さんはずっと無言。


車に私の荷物を乗せた。


「はな、このまま何処かへ行こうか。」


何を言い出すのですか。


私がどんな思いでお屋敷に済む事を決めたか。


「ごめん。だが、あの屋敷にはなを住まわせたくないんだ。」


どうして、そんなに心配なんだろ。


お爺様とお婆様が厳しいから。


使用人の嫌がらせとか。


あのお屋敷に私の知らない人がまだいるとか?


小説の読み過ぎかな。


「爺さんも婆さんも厳しいがそれほど問題ではない、お手伝いの花枝さんは、はなの事を認めないと思う。」


優しい感じの人だったけど。


後の20代のお手伝いさんは花枝さんの娘だと言う。


それにも驚いたけど、花枝さんの両親もこの屋敷の使用人で、親子でこの屋敷に住んでいたらしい。


花枝さんも結婚して、一度はこの屋敷を出たのだが、娘を二人連れて戻ってきたのだ。


花枝さんにとって、ここは実家と同じで、全て彼女が取り仕切ってると言う。


花枝さんの次女が朝陽さんとの結婚を強く望み、花枝さんが朝陽さんのご両親にお願いすると、本人同士が望めば反対はしないと。


次女の美土里はお嬢様学校に通い教養を身につけ、自分に磨きをかけて、朝陽さんに釣り合う女性になりたいと努力した。


それなのに、突然花屋の娘の私が現れた訳で。


朝陽さんは全く美土里さんの事は眼中になく、後からその話を聞かされ、両親に激怒したらしい。


自分には好きな女性がいて、結婚を考えていると。


花枝さんにも伝えたが、認めてくれなかったと言うのだ。


だからだ、このお屋敷に挨拶に来たとき、花枝さんは普通だったが、鋭い視線で睨みつけられたのを思い出した。


「はな、やっぱり止めておこう。美土里はきつい正確だから、はなに何をするか分からない。心配で仕事が手につかないよ。」


いえ、止めたりしない。


魔物の正体がある程度分かったなら、覚悟も決めやすい。


朝陽さん、心配かけてごめんなさい。


後戻りは好きでないから。


本当に辛く苦しくなったら、必ず朝陽さんに助けを求めると約束をした。


はなに辛い思いはさせたくないんだよ。


そう言って、抱き締めてくれたから、私から背伸びをしてお礼のキスをした。


したよ。


しちゃったよ。











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