君のカメラ、あたしの指先

恥ずかしい独り言

 晴れて有紗の誤解はとけた。

 しかし。


 雑用は無くなりませんでした。

 で、す、よ、ねー。
 
 印刷室は狭くて熱気がこもっていた。あたしはその中で一人、いいつけられた会議資料作成をせっせとこなしていた。

 こんな馬鹿みたいな作業、早く終えて部室に行かなきゃ。
 
 文化祭前なのだ。いくら幽霊部員ばかりの部活とはいえ、あたしにはやるべき事がいっぱいある。いやむしろ、周りに人がいないからこそやらなければいけないことが山積みだ。
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