サトウ多めはあまあまデス
 だいたいココアってメルヘンな名前にしたのはママの趣味。

 別に嫌いではないけどさ。名字の佐藤が平凡なだけに。

 でも佳喜くんはパパの隠し子でしょ?

 なのになんで名前はママの趣味の名前なのよ…。

 そんなことを考えてみてもパパはもちろんママだってブッ飛んでたもん。
 正解なんて分かるはずもない。

 しかもパパの喜一の一文字を取って佳喜なんて…。
 完全にパパの子どもだって認めざるを得ない感じ。

「佳喜くんはいいの?うちに住んじゃって。彼女とか連れ込めないよ?…っていうかもちろん連れ込むの禁止だからね!」

 クククッとなんだか馬鹿にした笑い方をする佳喜くん。

「喜一さんと本当に親子だよね。同じこと言ってた。別に他でやるからいい。」

 うわー他でって言いやがったよ。
ほら遊び人じゃない。ヤダヤダ。

「ねぇ。心愛ちゃんじゃ長くて呼びづらいしココでいい?俺、仮にもお兄ちゃんだし。」

 ココかぁ。

 別になんでもいいんだけどさ。
その呼び方はちょっと思い出の…なんだけどなぁ。

「ダメ?」

 佳喜くんはそう言うとお伺いをたてるような目つきで私の顔を覗き込んだ。

 おっと…その顔は反則です。

 遊び人の佳喜くん。
仮にも私は妹だよ?色気ダダ漏れ禁止!

 心の声をそのまま口に出せなくて黙っていると

「俺はケイくんがいいな」

って勝手にまた話進めてる。

「じゃケイちゃんで!」

 グッと黙った顔が納得してない顔だけどココって呼ぶなら私だってケイちゃんって呼ぶもん。

 食事が終わるとなんだかんだ流れでケイちゃんと二人、家に帰ることになった。
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