サトウ多めはあまあまデス
 佳喜は心愛がいなくなって、つい放心状態で固まっていた。

 ふっと意識を戻すと髪をクシャクシャっとしてつぶやく。

「照れてたくせにキスは躊躇なくするとか反則だろ。」

 頭を抱えて顔を隠すようにうずくまるが、隠しきれていない真っ赤な耳を出たままだ。

「兄妹だからこそスキンシップ多めって、どういう家庭方針だよ。」

 恨めしそうな声は自分に言ったのか誰に言ったのか分からないまま佳喜は顔を上げられなかった。
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