恋の神様におまかせ♪
「……それとさ、」
道島くんがボソッと声を出す。
それを聞いて顔を上げると、頬をすっと優しく彼の大きな手の平が覆った。
「返事、聞いてないし。まだ」
少し拗ねた顔をして、私の頬をつねる。
優しくつねられたから痛くなかったけど、咄嗟に痛っ!と言って俯く。
彼の顔を見ていたら、心臓が破裂しそうになる。
こんな感覚は生まれて初めてで、お腹よりももっと奥から、何かがせり上がって来るようで息苦しい。
暫く俯いたまま動かないでいると、彼が私の手を握った。
「……座れそうなとこ、行かね?」
「………うん」
きっと、今なんだ。
勇気を振り絞るタイミングは。
心の中で意気込んで、深呼吸した。
***
彼が足を止めたのは、暗くなったから誰もいない静かな公園。
公園の隅っこにならんだベンチに腰かける。
まだ、手は繋いだまま。