恋の神様におまかせ♪
【Side/Hayami】
再試験を終えて校舎を出ると、校門に人影が見えた。
校門前に建っている電灯に照らされた髪は、明るい茶色。
その見覚えがある色に、少し驚いて、思わず小走りで近付いていく。
「あ、お疲れ」
整った顔に綺麗な微笑を浮かべて、彼が私に手をつき出す。
その手には、缶の炭酸ジュースが握られていた。
お礼を言いながらそれを受け取って、私の頭一個分以上高い位置にある顔を見上げる。
「待っててくれたの?」
「そーだけど」
一緒に帰りたかったからさ、と笑う道島くん。
その笑顔にまたドキッとして目を逸らす。
私はまだ、告白をしていなかった。
タイミングが分からなかったし、それになにより勇気がなくて。
彼は私のことを好いてくれてるような気がしているけど、もしフラれたらって考えると、どうしても怖かった。