冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
「今、由佐さん呼んだから。お会計して外で待ってよう」

「うん……うん? ……えっ、どういうこと!?」

衝撃的な言葉にわたしの酔った気分は一瞬でさめる。由佐さんを呼んだ……!? どうして、なんで!

「紘奈の話を聞いていたら、なんか焦れったくなっちゃってさ。紘奈、寝不足でいつもより酔うのが早いし、このまま潰れちゃったら大変じゃん。だから、慶一さん経由で三坂さんと連絡とって、由佐さんに伝えてもらったの」

「なんて……!?」

「紘奈が寝不足でお酒飲んで、フラフラで困っているって。別に嘘は言ってないよね? 実際、結構酔っているわけだし」

夏穂子のニヤニヤした顔に、わたしは唖然としていた。待って、確かにわたしは酔っているけど意識はある! しかも、どうして自分が呼ばれるんだって、由佐さん絶対思うでしょう……!

「ちょ、ちょっと、それ今すぐ『大丈夫です!』って連絡してよ! わたし、しばらく水飲んで夏穂子と話していれば酔いもたぶんさめるし……」

慌てたわたしは勢いよく席を立ったがフラついてしまって、夏穂子が「ほら、フラフラ! 女のわたしだけじゃきっと支えられない! 由佐さんを呼んで正解だね」と、大げさな言い方をしてくる。

の、飲みすぎた……! ふらりと、力が抜けたように腰を下ろして額を押さえるわたしの肩を叩く夏穂子に、支度を急かされた。
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