冷徹部長の愛情表現は甘すぎなんです!
口もとを緩めている由佐さんに、胸が高鳴りだす。受け取ったわたしは、ペンギンを見つめながら水族館に行った日のことを思い出していた。
意地悪だけど、不器用な優しさがあるんだなってあの日に気づいたのだ。

「買い物しているとき、そのボールペンが目に入って君のことがすぐ頭に浮かんで、思わず買っていた。俺がかわいいボールペンを買っている姿、想像してみろよ。おかしいだろ? 君のせいだよ、まったく」

呆れたように笑いながらわたしの髪を耳へかけて顎を掴んだ彼は、誘うように視線を唇へと向けてきた。

「わ、わたし、自分で“好きになるわけない”って言っちゃったから、ずっと自分の気持ち言えなくて……」

「そうだな、言われた。あと、ネクタイ掴まれて怒鳴られたのは本当に衝撃的だったよ。最初は本気になるなんて思っていなかったけど、君の予想外の行動に惹かれた結果、いつの間にか俺は君のことばっかり考えてる。責任とってくれよ」

「せ、責任って……わたし……」

「あー……悪い、少し黙ってて。我慢できない」

切羽詰まったようにそう言った由佐さんは、わたしの唇を塞いだ。これまでのこと、わたしがどういう想いだったのかを彼に言いたかったのに……深くキスをされたら体の力が抜けて、舌を絡めることに集中してしまう。

「んっ……」

甘くて苦しい口づけにくぐもった声をだすと、彼は唇を離した。

「……駐車場でこれ以上はできない。俺の部屋、来るだろ?」

熱っぽい由佐さんの瞳にドキドキして、ぼうっと彼を見つめながらうなずくと、頬に優しくキスをされた。
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