慰めのDISCO




ここは小さなビデオ屋で、個人経営の潰れかけの店。



私の生い立ちを知ってるのは、店主のおじちゃんだけ。





幽霊の私でも雇ってくれた。




「それ、そこの棚じゃないから。俺より先にいるんだから、いい加減場所覚えろよ」



「いちいちうるさいな。分かってるよ 」



同期はこの、修斗だけ。



不真面目ながらも、高校に通ってるらしい。



私は小学校も中学校も行ってない。
本当に閉ざされた空間でしか育ってないから、高校なんか未知すぎてよく分からない。



足し算と引き算と割り算に掛け算、それに漢字、その他もろもろ必要最低限のことは全部育ての親のマスターに教えてもらった。








< 11 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop