慰めのDISCO
ほとんどお客も来ない、このお店ではいつも修斗と話すだけ。
話すって言っても、私は相づち係だけど。
「ルウコ、将来どうすんの?」
「んー、特に何にも……」
修斗は私をルウコと呼ぶ。
ふざけてなのか、おちょくってなのか、それは分からない。
でも、名前を呼ばれた時、ふと昨日のあいつの声が甦った。
「聞いてる?」
「あ、ごめん。なに?」
「だから、ちゃんと将来考えないとろくでもない大人になるよっての」
修斗は17にしては考え方も大人だと思う。
私に説教することがしばしば。
「分かってる、分かってる。修斗なんかに心配されなくてもーーーー」
「心配なんかしてねえ!」
「こら!!客が来んからって喋りまくりおって!ルウ、棚拭き!修斗は掃き掃除!」
店主のおじちゃんが中から登場。
私たちはそそくさと退散して、結局9時まで棚を拭き続けた。