君が残してくれたもの
咲楽ちゃんを見ると、目が合った。
にっこり笑って、

「咲楽ちゃん、一緒に行ってくれる?」


そう言った僕の顔を見て、咲楽ちゃんはまた顔を赤くした。


そして、咳払いをして凛とした表情になったかと思うと、


「私、そのつもりで今日来ましたから。桜樹さんのことをよろしくって託されてます。久保川家から」

この一言。

あいつら...


笑ってる3人が目に浮かぶ。


観念した僕は、咲楽ちゃんを見て、


「よろしくお願いします」


そう言って頭を下げて見せると、咲楽ちゃんは、クスクス笑った。


「じゃあ、行こうか」


なずなの押し花をそっとポケットに入れた。


ありがとう、みんな。

寂しさが吹き飛んで行く。

明日のことなんて、未来のことなんて考え始める。


「早くしないと、始まっちゃいますよ?」

咲楽ちゃんの振り向いた顔に、僕の新しい季節が始まっている予感がした。


やっと、つながった。

長い時を経て。


未来は変わる、いくらでも。

良いようにも悪いようにも。

それは、今、自分がどう動くかで…

どう生きるかで。

だったら、今を全力で生きてやる!
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