君が残してくれたもの
私にこの曲を教えてくれた人。
ピアノなんて習ったことがなかった私に、メロディを教えてくれた。

一緒に、ここで過ごしたのは…オウジ?

はっきりとした記憶はないものの、私の頭のどこかで彼は存在している。

ピアノ、上手だった…

白くて長い指で奏でる優しい音は覚えている。

どうして、いなくなったの…?オウジ。


私はオウジとどんなふうに過ごしていたんだろう。

どんな話をして、どのくらい仲が良かったのだろう。

ピアノの椅子に座ったままどのくらいの時間が流れたのか、


「なずなちゃん?」

呼びかけられて我に返る。

「あ…海晴くん」

音楽室の入り口で、不安そうな顔で海晴くんが立っていた。
< 78 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop