イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
本当は自分に自信がなかったからなのに、私は恋愛に興味がありませんという顔をして、自分には関係ないという態度をしてきた。
だから男性を過度に避けてきたし、社会人になっても、高島への憧れを誰にも相談できず、ずっと胸に秘めてきたのだ。
なのになぜ今このタイミングでそれを素直に口に出来たのかと思うが――おそらくタンバが通りすがりの男子で、うんと年下で、ここから飛び降りたらもう二度と会わない通りすがりの人だからかもしれない。
自分でも驚くくらいさらりと、コンプレックスを表に出すことが出来たのだ。
そんな自分に驚いたが、少しずつ――やはり変わってきているのかもしれない。
(コンプレックスの原因と一緒にいて、そうなるっていうのが不思議だけど……)
だが、タンバは遠子の話を聞いて、目を丸くする。
「えーっ、無縁ってうそでしょ。お姉さんめっちゃ美人じゃん」
「ふふっ……なにそれ。お世辞なんていいよ」
遠子は首を振りながら、手すりにもたれる。
「いやいやマジで。てか、えっ? お姉さんこそ過度な謙遜は嫌味っすよ!」
ジワジワと階段をのぼってきて、風の音が強くなったせいだろう。
声が通りにくくなったので、タンバはまじめな顔で遠子に体を近づける。
「お姉さん、可愛い系と美人系の、めっちゃいいところにいますって! 顔とかちっちゃいし、お目目ぱっちりでお人形さんみたいだし! 髪もさらっさらで、首とかちょー細いし!」