イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
その日の夜、遠子は熱を出して寝込んでしまった。
帰宅した直倫は寝たきりになっている遠子に驚きつつも、スポーツドリンクを飲ませたり、タオルで体を拭き清めたりと、自分のことはほっぽりだして遠子の世話をしてくれた。
「大丈夫か?」
「うん……」
申し訳ないと思いつつも、うなずく。
「熱は……三十八度六分。けっこうあるな……」
体温計で熱を測った直倫は渋い顔をする。
「さっき……解熱剤のんだから……もうすぐ下がると思うんだけど……ごめん……」
遠子は情けなくなりながら、声を絞り出した。
「いや、引きこもりから脱却してひと月だからな。疲れが出るころだ」
直倫は遠子を励ますように少し明るくそう言った。
「今から、パパとママに迎えに来てもらおうかな……」
「なんで」
「風邪だったら、直倫にうつしたら大変だもん……」
「うつらない。だから気にするな」