イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~

白臣と別れたあと、遠子はまっすぐ自宅に戻る。キッチンを覗くと、和美が夕食の下ごしらえをしていた。


「パパ、ただいま」
「お帰り、遠子」


彼は返事をしつつも、真剣なまなざしで、漬け込んだタンドリーチキンの様子を見ている。


「今日はママ早いの?」


キッチンの中に入って問いかける。
タンドリーチキンは亜子の好物なのだ。


「どうかなぁ……月曜だから会議で遅いんじゃないかな」
「そっかぁ……」


ちょっぴりテンションが下がる。
母に合コン用に着ていく洋服を見繕ってもらおうと思っていたのだ。


(だけどまだ日程も決まっていないし……時間があるときに相談すればいっか)


娘の変化に気が付いた和美が、顔を上げ問いかける。


「なにかあったの?」
「うん。合コンに行こうと思って。ママに洋服を――」
「ええーっ!?」


その瞬間、ビニール手袋をしたままの和美が、絶叫した。
ヨロヨロと後ずさりながら、わざとらしくワナワナと震える。


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