DEAR. -親愛なる君へ-

何が不思議かというと。

レヴァの一員であるにもかかわらず、視点が全く他人事だと言うことだ。
そして、他人事の自分自身を、不思議だと思う事……不自然だと思う自分自身が……不思議だった。

気づけばこうやって、自分自身を客観視している僕がいた。

今までだったら、こんなこと考えたりしなかったのに。

他の誰かの事なんて、考えようともしなかったのに。


―――だから。


気づけば僕は思い始めていた。


このまま、何も見つからなくて、手がつけられなくて、飢餓状態に陥る危険性が出てきた場合。
いや、そんな状態になっていなくても。

…いっそ、今すぐにでも。


僕は、胸に手を当てた。


―――この宝石心臓を、差し出そう……。


「おいそこのガキ共!!」

「!?」


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