DEAR. -親愛なる君へ-

低い声が響く。
荒く解き放たれたその言葉の対象…『ガキ共』とは、どうやら僕たちのことらしい。

みすぼらしくあちこちに穴が空いた布を、服に見立てて着こなしている中年の男たち三人が、不適にほくそ笑んでよろよろと近づいてきていたのだ。

「何のようだ」

レギオンが、すかさず僕らの前に立ち、勇敢に男たちを見据えた。
男たちは、かき集められた藁や木の枝で囲われている小さな壁をその大きな足で跨ぎ、自称レヴァの隠れ家へいとも簡単に侵入してくる。

「勝手に入ってくるんじゃねえ!!」
「フレイズ…!!」

そんな男たちに牙をむくかのごとく声を出したのはフレイズだった。
しかし、興奮状態のフレイズを状況を冷静に判断したエーヴィンが彼の腕をつかんで制する。

「ディア」

構わず侵入し、のろのろと近づいてくる男たちを睨んだ状態のまま、リタが僕に耳打ちをしてきた。

「ジュエルハーツだってことがばれたら危険よ。合図したら、ディアは真っ先に逃げて」

「……え…?」



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