夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

「…アカリのお陰でさ。身体の関係だけだと思ってた自分の両親が、愛し合ってたんじゃないかって…思える様になったんだ。
そしたら、だいぶ気持ちが楽になった。」

ヴァロンが笑顔でいてくれたらいい。
例えこのまま失った記憶の欠片が戻らなくても、私はいいと思ってた。


「自己満足かも知れないけど…。
やっぱ、両親が愛し合ってて産まれて来る方が…嬉しいよな。」

そう言って微笑む彼がいなくなってしまわない様に、祈ってた。
過ぎ去った過去よりも、未来を大切に生きていけばいいと思ってた。

まさか、終わっていない過去の悲しい出来事が…。
今になってヴァロンに降りかかってくるなんて、誰が予想出来たんだろう…。


……
………。
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