夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

「ほらっ!前よりは上手くなっただろ?」

絵を描く無邪気な横顔と、自信満々に描き上げた絵を見せてくるその姿は、まるで大きな息子みたい。

きっと…。
ずっと褒めてほしかったんだと、思った。


「ホントだ。前より猫に見える!」

「だろっ?アカリもなんか描いてよ?」

上機嫌のヴァロンは私にもペンを渡してきて、この夜は二人でお絵描きをした。
とても幼稚な、大人の夫婦が過ごす時間じゃないかも知れないけど…。私達は幸せだった。

きっとこんな風に…。私達はお互い幼い頃に、”家族”と過ごしたかったんだと思う。
一緒に遊んで、時には褒めてもらって、楽しい時間を共有して、笑い合いたかった。

幼い時に憧れた家族の形を、私とヴァロンはようやく手に入れられたんだね。

……
………。
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