夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

(3)

【マオの部屋】

「こちらが本日より、マオ様のお部屋にございます。」

震えそうな声を必死に抑えて、私はマオ様をお部屋まで案内した。
部屋に男性と二人きり。
それだけで私の心臓はうるさく鳴り止まない。

荷物を机に置き、上着を脱ごうとしたマオ様にドキドキしながら手を差し出すと…。
なかなか上着を渡してもらえない。

どうしたのかとお声を掛けようとすると、先に口を開いたのはマオ様だった。


「……あの。
自分の事は自分で出来ますので、今日はもう下がってもらって大丈夫ですよ?」


!……え?っ…。

まさかのマオ様の言葉に、私は唖然としてしまった。

女を選べというアラン様の申し出に、驚き戸惑う人は確かに少なくない。

…けれど、やはりみんな男性。
アラン様の前では遠慮した素振りを見せても、部屋で二人きりになると態度が変わると…。
これまで何度も耳にした。
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