夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

一見穏やかそうに見えるマオ様も男性。
しかも、あのアラン様と肩を並べて仕事を熟せる程のお方。
きっと内には激しい心を秘めているのではないか、と…思っていた。

立ち尽くしたままの私。
するとマオ様は溜め息を吐き、自分で上着をハンガーに掛けながら、キッと少し睨む様な横目で私を見ると言葉を続ける。


「ハッキリ言います。
僕には使用人も夜の相手も必要ありません。
さっきはアラン様の手前、強く拒絶はしませんでしたが…。正直迷惑です。」

「っ……。」

静かな口調なのにズバッと相手を切るナイフみたいな鋭い声。
とっさに”怖い”と感じて身を縮めて震えた。

やはり、アラン様の親戚の方。
深く関わり合いたくない。けど…。

”いいな?しっかり持て成すんだぞ?”…。

アラン様の命に背く事は、決して出来ない。
逆らえば、どんな仕打ちが待っているか…。
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