僕に、恋してみたら?
どうして?
だって、先輩は今でもお姉ちゃんのことが忘れられないくらいに好きなのに……。
「桃惟と別れる少し前に、兄の結惟から告白された」
――!?
「水上結惟は、あたしの3つ上で、当時大学2回生だった」
どうして……? どうして結惟さんが、弟の彼女であるお姉ちゃんに、告白してくるの?
「きっかけは、桃惟の家に勉強しに行ったことだった。何度か訪問するうちに、結惟も含め3人で遊ぶようになって」
「…………」
「結惟は、桃惟の目を盗んでは、あたしに迫ってきた。キスされそうになったり、桃惟と別れるように言ってきたり。次第に『隠れて俺とも付き合おう』なんて言ってくるようになった」
「そんな……」
「桃惟は、それに気づいていたのかも。だからあたしに『付き合えない』って別れを切り出したのかもしれない」
「そんなの……! 誤解だって言えばいいじゃん!」
お兄さんから一方的にされてただけだって。
好きなのは水上先輩だって。
「誤解じゃなくなったの」
「え?」
「隠れて……キスしてた。それ以上の、ことも」
頭が、真っ白になる。
「……どうしようもないくらい、あたしは、結惟に惹かれてしまっていたの」
お姉ちゃんの声は、震えていた。