僕に、恋してみたら?



『茉帆ちゃん、ちっちゃいよね』


大風呂の脱衣スペースで。

わたしの胸を見た、クラスメイト女子からの、心ない言葉。

言った方は、覚えていないかもしれない。


でも、わたしには、それが――グサリと突き刺さった。


それからというもの、なにかと、周りと比べるようになった。

みんなにはあって、わたしだけない。

個人差があると自分に言い聞かせてきた。

それでも膨らむ気配のない胸。


人前で、裸を見られるのが嫌になった。

銭湯には行けない。

着替えはコソコソとしてしまう。 


不公平さに、神様を心の中で何度も呪った。


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