僕に、恋してみたら?


先輩のどこに惚れたかという質問の答えは、ひとことでは表しにくい。

かといって、この場で延々と先輩の魅力を語り尽くすと日が暮れてしまいそうだし、語彙力も足りず、そしてなにより柳くんはわたしを好きでいてくれているんだ。

そんなことをすれば、ただの嫌なやつじゃないか。


「……しいていうなら、最初は、ギャップ萌えかなぁ」

「ギャップ?」


この話を……、誰かにする日がこようとは。


「先輩はね。案外、家庭的なんだよ」

「家庭的……?」

「ほら、わたしの悩み、もう知ってるでしょ」

「あぁ、貧乳な」

心の中で『貧乳っていうな』とツッコミを入れるも、前より、胸のことをいわれてショックを受けていない自分に気づく。

「先輩は、会った初日から、わたしの胸を子供みたいだと笑ってきた」

「最低かよ」柳くんが苦笑いする。

「それでわたし、先輩のこと嫌な人だと思った。でも、先輩はちゃんと謝ってくれて。翌日、お弁当を作ってきてくれたの」

「はぁ……?」
柳くんの口が、あんぐりとあく。

「ビックリでしょ。ほら、うちのクラスにわたしを迎えにきたあの日だよ」

「……なんでいきなり弁当なわけ」

「バストアップ効果のあるらしいメニューだったの。大豆とか、から揚げとか。あとで調べたんだけど、キャベツもいいらしい」

「なにゆえ先輩がお前のバストアップ応援してんだよ」

「お詫びだって」

「謝り方おかしくないか。斬新すぎるだろ」

柳くん、ツッコミのオンパレードをありがとう。

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