僕に、恋してみたら?


「そうか。なら、俺はお前を援護する」

「柳くん……」

「俺、白ウサギやろうかな」
ニヤッと笑う。

わたしが柳くんを追いかけていくの……?

「想像したら、ちょっと笑えたよ」

絶対逃げ切られて終わるパターンだ。

「追いかけられるのが茉帆なら喜んでウサギになるよ」

「柳くんは、裏ボス……いや、ラスボス感あるよね」

「脚本係に、ラスボスは女王様でなく白ウサギって設定にしてもらうか」

なにそれ。

続けて柳くんが「アリスには、元の世界に帰らず白ウサギの嫁になってもらうか」なんてめちゃくちゃなことをいうので、思わず2人で大笑いした。


「柳くんは脚本に手を出さない方がいいよ」

「なんで」

「喜劇になっちゃう」

「いいだろ、面白いほうが」

それもそうか、と納得しつつ、アリスとウサギのハッピーエンドはカオスすぎると思った。


「でも意外だよ。茉帆がやる気出すなんて」

「チャンスかもって、思って」


自信の持てない自分を、変えられるチャンスがやってきたのかもしれない。

これをきっかけに、なにか、変えられるかもしれない。


「……ま、頑張ってこ」

「うん」

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