僕に、恋してみたら?


犯人は――あの子だ。

あのとき、窓際で薄笑いしていた、あの子。


これは、わたしへのあてつけなの?

そうとしか……考えられない。


どうしてあの子が、そんなこと……。


『私、結城さんがいいと思います』


――そうだ。


最初にアリス役にわたしを推薦したのは、あの子だ。


もしかして。

あの子も、柳くんとわたしが仲いいのが気に入らないの?

だから、これは、わたしへの……あてつけ?


考えすぎだろうか。

でも、そのくらいしか、思いつかない。

あの子との接点が、他にない。


もしも、そうなのだとしたら、友達を巻き込まれたことに腹が立つ。

直接なにか危害を加えられるより、友達を傷つけられたことが許せない。


でも――今は、怒っている場合じゃない。




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