Amour couleur~手紙をくれた君へ~
手紙
手紙を書こう。

彼の怪我を、

彼の大切な人の死を、

彼女の事故による障害を、

今を苦しむ私を、

私が変える。
彼の手紙でわかったことがあるから。
伝えないと、後悔するから。




「なぁ、木嶋って覚えてるか?」
「あぁ。結構仲良かったしな。」
「木嶋、今どこにいるかわかるか…?」
水沢は首をかしげた。
「卒業以来だからな…なんも言わず、引っ越しちまったし。」
「だよな…」


「終わったよー!」
「ご苦労さま。手伝って貰っちゃってごめんね。」
「いいの、いいの」
私が言うと、お母さんは笑った。
「…なんか、明るくなってよかったわ。」
「元々明るいわよ。」

家に帰って、椅子の上に、カバンを置いて
机の上に広がってるものをどかして、引き出しから便箋を取り出す。
「やっぱ、送ろう。」


「菜留ー、あなたあてに手紙が来てるわよ。」
「誰からだろ……?」
送り主を見て、心臓が止まるかと思った。
「……成宮、くん……」

……

木嶋 菜留

この手紙を、やっと君に届けることが来た。あの日、言えなかったことを、今更かもしれないけど、ここに綴る。

……

「……っ」
涙が溢れて止まらない。
どうやってここを調べたんだろ。…
見つけるの大変だったと思うのに。
私は、自分の部屋に行って、引き出しを開ける。……あった。
余った便箋。
私は涙をふいた。

やるべきことが出来た。

上手くいくかはわからない。

でも、

やらなきゃ。

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