Amour couleur~手紙をくれた君へ~
過去へ
○月✕日。10時頃。家の近くで、事故があったようだ。窓から微かに見えた。運ばれているのは、同い年ぐらいの男の子。
私と同じ制服……

日記を読んで、私わため息をつく。

……馬鹿な私。人事で書かれている。

でも、この時はまだ、彼とは仲が良かったわけじゃない。

私はシャーペンをとって、書き出した。

「成宮 羽陽……」


「痛っ」
「大丈夫か?お前休んだ方がいいぞ。」
「はい、すみません…」
事故が原因で、思うように腕が動かなくなった。それ以外は平気だし、そもそも死ななかったのが、何より奇跡だった。
「ふぅ…」
けど、時々痛みが走る。
病院行ったほうがいいのかな。……
「成宮、こっち頼めるか?休んだらでいいぞ。」
「はい」

「書けた…この手紙、日にちごとに分けた方がいいかも…」
まずは、この手紙、次にこれが送られてくるように…
「これは、今日絶対読むこと!と。」

青の郵便。
そこに手紙を入れると、過去に送られる。
過去を変えたことで、今を変えることは出来ないけれど、それでも。

……

「ん?」
俺宛てに手紙が届いた。
でも、知らない名前だ。

ー木嶋 菜留

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