ガード
翔は女子生徒に埋められ、あずさも巻き込まれ、私にはもうなす術がなくなった。

本来なら翔だけをボディーガードすればいいものを、あずさまで巻き添えを食らってしまったのである。

視察は昼休みまでだったので、後は帰るだけであったはずなのに、引っ付き虫達がそれを許さない。

「一緒にお昼食べませんか?」

「いや、僕もボディーガードの彼たちも弁当なんて持ってきてないよ。」

「そうだ、先輩はご存じないんですね。」

その女子生徒Aは「ねー。」と友達と頷きあいながら、こんなけったいな事を言い始めたのだ。


「矢形の生徒はお弁当は持ってこないんです。」

「え?なんで持ってこないの?」

びっくりした私がそう割り込むと、Aはあからさまに嫌な顔をして、こう続けた。

「一昨年から、お昼はビュッフェスタイルになったんです。」

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