好きな人を誘拐してみた。
…はずなんだけど。

「スースー。」

なぜかその朱子さんは

僕の腕の中でのんきに寝てしまった。

確かに今はもう夜中の3時。

家具とかいろいろは部下にやってもらった。

すごく不審な目で見られたけど

そこは気にしないことにした。

最初に朱子さんが起きた時は

何を話せばいいか分からなくて

変な会話になってしまった。

さっきまでも変な会話をしてた。

ギュッとしたくて聞いてみたら

意外にあっさり許可がおりた。

大好きで、でも届くわけのなかった人が

僕の目の前にいて

僕の腕を待っている。

そんなふうに思うと手が震えそうだった。

震えていたかもしれない。

優しく出来ただろうか。

これ以上不快な想いをさせたくない。

…まぁすでに誘拐して監禁してるから

不快極まりないんだろうけど。

明日から休みをもらった。

僕もこのまま朱子さんと寝てしまおう。
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