お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
*

夏奈ちゃんとバイバイして、家に帰る途中。

ぼうっとしていたら、今日のみっくんの姿が頭の中に浮かんできた。

………もちろん、隣には美結ちゃんが。




あのね。

────── 内緒の話、ね?


あのとき、みっくんが美結ちゃんと一緒にいることに、少し、すこーしだけだよ?


“嫌だ” って思ってしまったんだ。



……どうしてだろう。
みっくんは、もちろん大好きな幼なじみで、美結ちゃんは、そんなみっくんの彼女の一人。

………ということは、私は美結ちゃんのこともちゃんと大切にしなきゃいけないって思うのに。



………どうして、こんな気持ちになるんだろう。




ズキッ。


……胸の奥のほうが、針で刺されたように痛い。



そういえばさっき、みっくんと美結ちゃんが二人で去っていく後ろ姿を見たときも、同じ痛みを感じた。


どうしちゃったんだろう、私………。
変な病気……、とかじゃなきゃ、いいんだけどなぁ。




───── まぁ、そんなことより!


早く帰って、テスト勉強しなきゃ。
赤点取ってしまったら、臨海の後すぐに補習になってしまう。


それだけは避けなきゃ………ね!




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