愛してるって言って。


それから曖斗くんは部屋を出ていった 。




「 ・・・由良 。俺が何をしてきたのかお前はきっと分からないよな 。」



「・・・何してたの・・・?」



夢翔は少し離れたところに座って話し始めた 。



「 お前の家に行って 、あの男と話してきた 。」




・・・ 。




「 アイツがお前のこと本当に好きだって気持ちは伝わった 。・・・でもアイツ言ったんだ 。由良は俺のものだから何してもいいって・・・俺は由良を傷つけといて反省するどころかそんな事を言ったアイツがどうしても許せなくて ・・・ 手出しちまった 。 ・・・ ごめんな 。」




夢翔 ・・・




「 そしたらさ 、おばさんが出てきて俺に頭を下げたんだよ 。何でだ?って思うだろ 。」





おばちゃんが夢翔に ・・・?





夢翔はそのまま話を続けた 。




「 由良ちゃんの事をそこまで思ってくれてありがとうって 、晃季のことを殴ってくれてありがとうって 、おばさんそう言ってた 。私が面倒を見るだなんて言ったから 、由良ちゃんが辛い思いしたのよ 。って 。」




違う 。



違うよ 、おばちゃん 。



あたしはおばちゃんに拾われて幸せだよ 。




「 ・・・っ。」




「 ・・・なぁ、俺が言う事じゃねぇーかもしんねぇーけど 、おばさんと話しなくていいのか?」





したい 。



おばちゃんに謝りたい 。



・・・ でも ・・・


でも ・・・ 。





「 俺も一緒に居るから 。あの男が居たとしても 、ぜってぇー近づかせねぇーから 。・・・嫌か・・・?」




「 ・・・ 夢翔と一緒なら行く 。」




この人となら大丈夫 。





いつしかあたしは夢翔のことを・・・




また人を信じれるようになっていた 。




「 よし 、行くか 。」




あたし達は夢翔の単車に乗って


あの家へと向かった 。




「 ・・・・・・ 。」



晃季くんが居るって思うと 、


中に入るのはやっぱり怖い 。



「 大丈夫だから 。俺が居る 。」




そう言ってあたしの手を力強く握ってくれた 。




ガチャっ。



「 っ!?由良ちゃん!?」




ドアを開けると涙を流しこっちを見るおばちゃんが立っていた 。



「 由良ちゃんっ。由良ちゃんごめんねっ。本当にごめんね ・・・ 」


おばちゃんはそこまで言うと


目の前で膝をつき泣き崩れた 。




・・・・・・ 。



「 おばちゃん?・・・おばちゃんは何も悪くないよ?むしろあたしはおばちゃんに拾ってもらってすっごく幸せだよ?・・・こんなあたしを愛してくれてありがとうっ。」




あたしはおばちゃんを思いっきり抱きしめた 。




「っ。由良ちゃん ・・・ ありがとう。・・・こんなこと言っていいのか分からないけど ・・・ また・・・ またっ、おばちゃんに会いに来てくれない ・・・?・・・晃季はもう追い出したから ・・・ 。」





おばちゃん ・・・



おばちゃんも辛いよね ・・・ 。




「 俺が責任もって守ってみせます 。・・・ 由良がこの家に行きたいって言ったとき ・・・ 俺も一緒に遊びに来てもいいですか?」



夢翔はそう言うと子どものような笑顔で

ニカっと笑った 。




「 もちろんっ!夢翔くんも由良ちゃんもいつでも遊びに来なさい 。おばちゃん張り切ってご飯作るからっ!」




おばちゃん ・・・ 夢翔 ・・・




ありがとう___ 。





あたし達は話を終えてあの倉庫に戻った 。
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