あまりさんののっぴきならない事情
『だが、俺は例外だ。
 お前の彼氏だからな』

 いや、いつ、そんなことが決まったんですか、と思っていると、
『……違うというのか。
 じゃあ、お前は、付き合ってもいない男とあんなことをした淫乱女ということだな』
と言ってくる。

 なんだかんだで押し切られた。

「わ、わかりました。
 じゃあ、食べないで待ってます、はい」
と言って電話を切る。

 成田が心配そうにこちらを見ていた。

「大丈夫か?
 なにかあったら、すぐに僕に連絡するか、警察に通報しろよ」
と言ってくる。

 いや、何故、警察に通報? と思いながらも、成田の気遣いには感謝し、
「ありがとうございます」
と言って、深々と頭を下げた。





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