セツナイ.
「…それじゃあ、また明日」
「あ、うん!また明日!」
そう言うと、皐月くんは食堂へ向かう階段を降りていった。
こんな日が来るとは思ってなかった。
併願で受けたこの私立高校。
どうしてもソフトボールが続けたくて、公立合格を目指して、勉強していたけど、
努力が足りず、仕方なく私立高校に。
まさか私立に行くと思ってなかったから、
制服のかわいさと家からの近さで選んだ。
土曜日に学校があることが、
指定された靴下、靴、鞄が
何よりも嫌で、
私立には絶対行きたくないと思ってたのに、
それに、適当に選んだ私立なだけに、
ソフトボール部がないことは、入学して気づいた。
高校の選択を間違ってしまった、と、いつもいつも、思っていた。