午前0時、魔法が解けるまで。







カップに蓋をするソーサーを外し、カップの下に置く。
作り立てのミルクティーって、こんなにも良い香りがするのか。


紅茶の成分とミルクを馴染ませるために近くに置かれていたティースプーンで軽く混ぜる。


砂川さんも同じように紅茶を混ぜ、クッキーを一つつまみ上げていた。


それを両手の親指と人差し指で挟み込んだかと思うと、滑らかな動作で半分に割った。

一口大になったそれは薄く開かれた形の良い唇の元に運ばれ、消えていく。








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